『ゴハおじさんのゆかいなお話〜エジプトの民話』
デニス・ジョンソン・デイヴィーズ/再話 ハグ‐ハムディ・モハンメッド・ファトゥーフ&ハーニ・エル‐サイード・アハマド/絵、千葉茂樹/訳
徳間書店
2010.01
原題:GOHA THE WISE FOOL by Denys Johnson-Davies, 2005

版元語録:まぬけでがんこ,ときにかしこいゴハおじさん。何百年もエジプトの人々に愛され続けるゴハの笑い話,とんち話15編を楽しい挿絵で。

ajian:とてもおもしろかったです。このぐらいの幼年向けのものはまだ編集したことがないので、勉強の気持ちで読みました。エジプトの民話といわれてもあまり思いつかないし、日本の子どもにとっては、距離があるのではないかと思ったけど、そんなことは全くなく、親しみやすい、どこかなつかしいお話がいっぱい入っていた。おじさんのキャラクターがとてもいい。話も短く読みやすいし、この布の原画が味わい深い。原書は絵本だったというのを今日知ってよかった。そういう作り方も出来るのかと思いました。

優李:読んで、ホジャどんの昔話のようだと思いました。ゴハおじさんとホジャどんが同じ人とは後書きを読んで初めて知りました。とぼけた味わいが楽しい。こういう絵だと、男の子も好きそうですね。これを読んだある男の子が「ある話の中ではとぼけたおじさんなのに、別な話(「ロバの木を数える話」)ではすごく頭いいし、同じ一人の人とは思えない」と言ってました。確かに(笑)。刺繍が男性の作で、その地域では男の人の普通の職業ということも驚きでした。

わらびもち:他の民話集でこういうのを読んだことがあります。ロバを持ち上げる話や市場へ行く話なんかを。でも、別の話があることは知りませんでした。その時はイラストのようなものがなかったのですが、あると明るくなるし、親しみもわきますね。縫物の絵が温かみがあって良いですね。ゴハおじさんと3人の賢者の話では答えた内容で相手を困らせれば相手は何も言えなくなったり、出来なくなったりするのでこれはいつか自分がピンチになった時に使えたら使ってみようと思いました。

トム:愉快でした、すごく! 天真爛漫で笑いがこみあげる感じ。日本には無いカラリとしたスパイスもきいて心を閉じ込めない。アップリケは女の人がしているのかと思ったら厳つい男の人でびっくり。それぞれ技巧的でなく布や針の跡が残るようにざっくりとして、それもこの話の大事な味のよう。ゴハさんのギョロッと大きな目はずっと忘れないと思う

ルパン:興味しんしんで読みました。なんといってもエジプトは今いちばん行ってみたい国なので。ゴハおじさんは、きっちょむさんみたいですね。エキゾチックな部分と親しみやすい部分があって、とってもおもしろかったです。最後の「まともの答えられないしつもんには、どんなふうに答えても、正解なんですよ!」という一文が気に入りました。

けろけろ:日本にもとんち話は多くて、小さい子にはとても親しみやすいお話なので、とてもおもしろかった。きっちょむさん話と似てる部分があるけど、お国が違うと、落とし方も独特です。良くわからないものもあるけど、それもまた日本にはないテイストとして、味わい深いと思いました。

サンザシ:おもしろく読みました。私は原書を持っているんです。でも、絵本なので、これを日本で出すのはむずかしいなと思っていたら、こういう絵物語みたいな幼年童話で出たので、なるほど、と思いました。これなら読みやすいですもんね。私もナレスディン・ホジャのお話に似てるな、と思ったんですが、アラブ圏にこういう話は広く散らばっているんですね。時代を超えて、いろんな人がエピソードをつけ加えていったんでしょうね。アップリケや刺繍の絵もとてもユーモラスで楽しめます。ゴハおじさんにひげがあったりなかったりするのも、許せちゃいます。

たんぽぽ:とても、おもしろかったです。子どもたちに、読んでもらいたいなと思いました

うさこ:子どものころ、きっちょむさんや一休さんのようなとんち話が大好きだったので、この本を書店で見つけたときはすごくうれしかった。トルコではホジャおじさんだったり、他の国にいくと名前が変わるんですね、おもしろい! 主人公のとぼけぶりやひょうひょうとしているところがとてもいいな。生活者としての知恵がいい場面できいていて、読んでいて痛快。教訓ぽくなくて、笑えた。お風呂屋さんに行くところはただの間抜けさだけではなくて、知恵比べで、そこが意外でドキッとしました。1年生の男児と読んだのですが1回読んだだけではちょっと理解できないようだったので、すこし補足説明しないといけなかったかな。2〜3年生になって読んだら、ストレートに笑えるかも。

三酉:おもしろい! ゴハおじさんは、トルコではナスレッディン・ホジャと言われているようで、こちらの本も読んでしまいました。選書に感謝したいですね。知恵とユーモアと荒唐無稽と、実に多彩で豊か。その豊かさにつれて、読み手も大笑いしたり、しみじみ考え込んだりする。この刺繍の挿絵ものどかでよいのと、巻末に刺繍した人の写真が載っているが、ジャン・レノみたいでちょっと愉快でした。

プルメリア:出版されてすぐ読んだ作品です。表紙も挿絵も心温まるような刺繍がお話にとけこみ、とってもすてきだなと思いました。ほんわかしている雰囲気がなんともいえないいし、ゴハおじさんの味がいいです。学級の子どもたち(小学校4年生)に「地球の真ん中はどこ?」と聞いたところ「マグマ」とか「アメリカ?」などの答えがかえってきました。「ゴハおじさんの答えは『この下です。そこが地球のどまんなか』です」と教えると、みんな「あ、なるほど!」と笑っていました。1話のお話が短いので子どもたちとって短い休み時間に読める本になりました。

(「子どもの本で言いたい放題」2011年9月の記録)