「読書推進運動」(読書推進運動協議会刊)2018年4月15日号に「児童書は読書の土台です!」という記事を書きました。JBBYの活動について、みなさんにも知っていただきたいと思いました。

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子どもの読書週間によせて
JBBY会長 さくまゆみこ

 

私は、昨年からJBBY会長という役目をおおせつかっている。子どもが本を読まなくなったという声は、ずいぶん昔から耳にタコができるほど聞いていたし、最近は、まったく本を読まない大学生さえ多いという。そんななかで何ができるのか、報酬なしのボランティアではありながら、大変チャレンジングな役目である。

出版不況に関しては、大人の本と比べると子どもの本はまだいい、という声も聞かれるが、多くの新聞では大人の本の紹介・書評欄は毎週あるが、児童書の場合はだいたいが月に1回だったりする。なので、多くの人が子どもにどんな本を買ったらいいのかわからず、書店で山積みになっている本に手を出してしまう。

売れる本イコール子どもの心に種をまける本ではないので、そうした本を与えられた子どもは、本や読書の本当のおもしろさに気づくことなく、大人になってしまう場合も多いのではないだろうか。読書離れを嘆くなら、読書の土台をつくる児童書にももっと焦点を当てて、子どもの視野を広げ心に響く本を紹介したほうがいいのではないだろうか?

ところでJBBYでは3年前から毎年、日本で創作された児童書を海外向けに英文で紹介するブックレットJapanese Children’s Booksを発行してきた。選考委員たちは、かなり突っこんだ論議を交わしながら選書をし、選ばれた本について原稿を書き、ネイティブのすばらしい翻訳者たちに英文にしてもらって、絵本、読み物、ノンフィクションに分けて合計約一〇〇点を紹介している。

これを日本語でも読みたいと言う声が多く寄せられたので、昨年度からは、その日本語版「おすすめ! 日本の子どもの本」も出版することになった。また今年度からは、翻訳の児童書のなかからおもしろい作品を選んで紹介するブックレット「おすすめ! 世界の子どもの本」も出版する予定で、現在選書を進めている。翻訳作品についてもブックレットを出そうと思ったのは、翻訳書でしか得られない多様な価値観や多様な文化を知ることも、今の日本の子どもにとっては重要だと思うからである。

また、昨年度からは「国際アンデルセン賞講座」として、日本から候補として推薦していた角野栄子さんと田島征三さんについて、学んだり話しあったりする連続講座も開き、最終回にはおふたりの講演会も開いた。こうした活動やブックレットが、角野さんのアンデルセン賞受賞にささやかなりともつながったのであれば、うれしいことである。

毎年好評の「JBBY新編集者講座」では新たな趣向を考えているし、さらに昨年度からは、日本にいる困難を抱えた子どもたちについて考え、本で支援する「希望プロジェクト」も発足させた。学びの会を開いたり、子ども食堂や南相馬の子どもたちに本を届けたりの地道な活動を今年度も続けていくつもりだ。

出版・教育関係者のみなさまにも、子どもの読書に関して様々な試みをしているJBBYの活動をさらに知っていただけるよう努力していきたいと思っている。