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りんごだんだん

『りんごだんだん』表紙
『りんごだんだん』
小川忠博/写真・文
あすなろ書房
2020

『りんごだんだん』(NF写真絵本)をおすすめします。

最初は、ぴかぴかでつやつやの赤いリンゴの写真に、「りんご つるつる」という言葉がついている。その同じリンゴが、少しずつ変わっていき、しわしわになり、ぱんぱんになり、しなしなになり、ぐんにゃりとなり、やがて哀れな姿に。作者が1年近くの間リンゴを観察して記録した写真絵本。それぞれの写真には、ごく短い言葉がついているだけだが、生きているものは時間とともに否応なく変化していくこと、そして、それを糧にしてまた次の命が育っていくことなどが、リアルな写真から伝わってくる。

3歳から/リンゴ 腐敗 変化 命

 

Apple, Bit by Bit

A photo of a bright red apple appears with the text “Smooth Apple.” The same apple changes little by little over time, becoming wrinkly, swollen, soft, limp, and then bug-eaten. But is that the end? The author observed and photographed the same apple for about a year to create this picture book. Each photo has only brief words with no explanations, but the idea that all living things change, ultimately becoming nourishment for future life, comes across in the realistic photos. (Sakuma)

  • text/photos: Ogawa, Tadahiro
  • Asunaro Shobo
  • 2020
  • 36 pages
  • 20×21
  • ISBN 9784751529614
  • Age 3 +

Apple, Decay, Change, Life

(JBBY「おすすめ!日本の子どもの本2021」より)

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イオマンテ〜めぐるいのちの贈り物

寮美千子文 小林敏也画『イオマンテ:めぐるいのちの贈り物』ロクリン社
『イオマンテ〜めぐるいのちの贈り物』
寮美千子/文 小林敏也/画
ロクリン社
2018.02

『イオマンテ〜めぐるいのちの贈り物』をおすすめします。

アイヌの熊送りの儀式をめぐる絵物語。

少年の家出は、父親が仕留めた母熊の子どもを神として大事に育てるが、やがて別れの日がやってくる。

詩的な文章と美しい絵が独特の世界をつくり、生命が軽視されることも多い今の時代に、「いのちのめぐみ」を受け取るとはどういうことかを伝えようとしている。

(朝日新聞「子どもの本棚」2018年4月28日掲載)

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みずまき

『みずまき』
木葉井悦子/作・絵
講談社
2003.06

『みずまき』をおすすめします。

かんかん照りの暑い日には水まきがいちばん。女の子がホースで勢いよく水をまくと、あっちからもこっちからも小さな生き物が顔を出す。
この分じゃ、この女の子もびしょぬれだな、と思っていると、最後にはちゃんと浴衣を着せてもらって涼しそう。
命の豊かさが感じられる絵本。品切れ中なので図書館で見てね。

(朝日新聞「子どもの本棚」2017年7月29日掲載)


シャイローがきた夏

フィリス・レイノルズ・ネイラー著 さくまゆみこ訳 『シャイローがきた夏』
『シャイローがきた夏』
フィリス・レイノルズ・ネイラー作 岡本順挿絵 さくまゆみこ訳
あすなろ書房
2014.09

アメリカのフィクション。アメリカでは長く読みつがれている作品です。山の村に住む少年マーティがビーグル犬に出会い、最初に出会った場所の名前をもらってシャイローと名づけます。ところがこのビーグル犬には持ち主がいて、自分の飼っている猟犬たちを虐待しているのでした。マーティは、シャイローを虐待している飼い主からなんとか救い出そうとします。このあたりは、ひと昔前のよきアメリカが反映されているかもしれません。少年とシャイローの間に通い合う気持ちが生き生きとフレッシュに表現されているのが、私は気に入っています。前は別の出版社から別のタイトルで出ていた作品ですが、新たに訳し直しました。うちにもビーグル犬がいるので、ずっと気になっていた作品です。3部作なので続編もあるのですが、3作とも映画になっていて、DVDで見ることができます。

*ニューベリー賞(アメリカ)受賞
*SLA夏休みの本(緑陰図書)選定

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ことりのいのち

アロナ・フランケル『ことりのいのち』さくまゆみこ訳
『ことりのいのち』 (まあくんのバイバイあかちゃんシリーズ5)

アロナ・フランケル/絵・文 さくまゆみこ/訳
アリス館
1984.03

生と死をテーマにした絵本です。死んだ小鳥を見つけた男の子が、お母さんと一緒にそっとバラの木の下に埋めます。するとある日、バラの花の間から小さな声が聞こえてきたので、のぞいてみると、小鳥の巣があってその中に三羽の赤ちゃんが・・・