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カマキリと月〜南アフリカの八つのお話

マーグリート・ポーランド『カマキリと月:南アフリカの八つのお話』さくまゆみこ訳
『カマキリと月〜南アフリカの八つのお話』
マーグリート・ポーランド著 さくまゆみこ訳
福音館書店(福音館文庫F-11)
2004.04

南アフリカのフィクション。南アフリカに古くから住んでいる人々の世界観や宇宙観をよりどころにして書かれた、八つの動物ものがたり。主人公の動物たちが、自然の中でいとなむ暮らしや冒険の物語には、私たちを深いところから元気にしてくれる優しい力があふれています。以前単行本で出ていた作品の、文庫での再刊です。
(絵:リー・ヴォイトさん 装丁:辻村益朗+大野隆介さん 編集:松本徹さん)

*パーシー・フィッツパトリック青少年文学賞(南アフリカ)受賞
*産経児童出版文化賞受賞


カマキリと月〜南アフリカの八つのお話(単行本)

『カマキリと月〜南アフリカの八つのお話(単行本)』
マーグリート・ポーランド作 リー・ヴォイト絵 さくまゆみこ訳
福音館書店
1988.10

南部アフリカの先住民のサンやコーサの人たちの昔話や神話をもとにした動物物語。「小さなカワウソの冒険」「ブアブンの花が散る」「絵かきになったノウサギ」「ジャッカルの春」「ずんぐりイモムシの夢」「サボテンどろぼうはだれだ?」「雨の牡牛」が入っています。訳すとき難しかったのは、動物や植物の和名です。南部アフリカ固有の英語から割り出すのに、文章を翻訳してから丸一年くらいかかりました。最後は著者に特徴やわかるものはラテン名も教えていただきました。当時は電子メールがなかったので、お手紙でやりとりしていました。画像検索も当時はできなかったので、著者に写真を送っていただきました。後書きでポーランドさんは、こう述べています。「この本にのっているお話は、楽しんでもらうことを第一の目的として書きました。けれどもこの本は、サンやコーサなど〈古い人たち〉への賛辞でもあります。かれらの知恵や世界観は、はかりしれないほどわたしをゆたかにしてくれました。かれらのつたえてきたものの中にある、よろこびや魔法のいくつかを、読んでくださるかたたちと分かちあうことができれば幸いです」。2004年には福音館文庫の1冊としてよみがえりました。
(編集:松本徹さん 装丁:加藤光太郎さん 巻末の動物の絵:木村しゅうじさん)

*産経児童出版文化賞