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文様えほん

谷山彩子『文様えほん』
『文様えほん』
谷山彩子/著
あすなろ書房
2017

『文様えほん』(NF絵本)をおすすめします。

文様とは、「着るものや日用品、建物などを飾りつけるために描かれた模様」とのこと。文様は、縄文時代から土器や人形に描かれていたし、現代でもラーメン鉢や衣服に描かれている。文様のモチーフは、植物、動物、天体や自然などさまざまだし、線や図形を組みあわせた幾何学文様もある。本書は、こうした多種多様な文様を紹介するだけでなく、地図で世界各地の文様の違いや伝播を見せてくれる。文様について楽しく学べる絵本。巻末に文様用語集や豆知識もついている。

10歳から/模様 パターン 日本の伝統

 

The Pattern Picture Book

Patterns are the designs created to decorate clothes, articles in daily use, buildings, and so forth. In Japan, spatulas, bamboo sticks, shells, and nails have all been used to pattern pots and figurines since the Jomon period, and these days ramen bowls and clothes too. This book not only introduces Japanese patterns using various motifs of plants, animals, celestial bodies and nature, and geometrical patterns combining lines and figures, but it also includes a map to show differences with other patterns around the world and how some patterns of one region have spread to others. Along with illustrations, the book also includes a glossary of terms and useful information for readers to enjoy learning about the patterns. (Sakuma)

  • Text/Illus. Taniyama, Ayako
  • Asunaro Shobo
  • 2017
  • 48 pages
  • 21×22
  • ISBN 978-4-7515-2828-0
  • Age 10 +

Patterns, Motifs, Japanese tradition

(JBBY「おすすめ!日本の子どもの本2019」より)

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さわるめいろ

村山純子『さわるめいろ』
『さわるめいろ』
村山純子/著・デザイン 点字つき絵本の出版と普及を考える会&岩田美津子/協力
小学館
2013.02

『さわるめいろ』をおすすめします。

目の不自由な子どももそうでない子どもも、一緒に楽しめる絵本。

いくつかの出版社から出ている「てんじつきさわるえほん」の1冊で、シリーズのほかの絵本はロングセラー絵本の点訳化だが、本書は内容もオリジナル。市販の点字絵本はこれまで、印刷・製本上のさまざまな問題から、かなり高額な値段をつけざるをえず、だれもが買えるようなものとはなっていなかった。

今回のこのシリーズは、平成14年から出版社、印刷会社、作家、画家、デザイナー、点訳ボランティア、研究者などが定期的に集まって話し合いを重ねたなかから生まれたもので、絵に重ねて樹脂インクで盛り上げ印刷をし、蛇腹式の製本を取り入れてコストを抑えている。

本書は、日本の伝統模様などを使い、そこに樹脂の点々をのせているが、実際に目の見える子と不自由な子が一緒に遊ぶと、見える子が教わるという場合も多い。

このような試みが今後も続いていくことを願いたい。

(「第61回産経児童出版文化賞大賞 選評」産経新聞 2014年5月5日掲載)