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チトくんと にぎやかないちば

アティヌーケ文 ブルックスバンク絵『チトくんとにぎやかないちば』さくまゆみこ訳
『チトくんと にぎやかないちば』
アティヌーケ文 アンジェラ・ブルックスバンク絵 さくまゆみこ訳
徳間書店
2018.03

西アフリカの市場を舞台にした楽しい絵本です。チトくんは、お母さんにおんぶされて市場に出かけていきます。チトがきょろきょろしていると、市場のバナナ売りのアデさんが小さなバナナを6本くれます。チトはバナナを1本食べると、残りはお母さんが頭にのせているかごに、ぽいっと入れてしまいます。フェミさんからオレンジを5個もらうと、1個だけちゅうちゅうして、残りはお母さんのかごへ。こうして、お母さんのカゴの中に、揚げ菓子や、焼きトウモロコシや、ココナッツと、いろいろなものが入っていきます。

お母さんは値段の交渉に夢中で、ちっとも気づいていなかったのですが、やがてかごをおろしてみてびっくり! そして、最後のページがまたおもしろい。

文章を書いたアティヌーケはナイジェリア生まれの児童文学作家。絵を描いたブルックスバンクも西アフリカで育ちました。二人が大好きな西アフリカの市場のようすが、生き生きと伝わってきます。私もナイジェリアではいくつかの市場を訪ねたことがありますが、この絵本からは活気にあふれたざわめきまで聞こえてくるようです。
(編集:高尾健士さん 装丁:森枝雄司さん)

*2018年 子どものためのアフリカ図書賞(米 Children’s Africana Book Award)受賞作

 

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かわいいサルマ〜アフリカのあかずきんちゃん

ニキ・ダリー『かわいいサルマ:アフリカのあかずきんちゃん』さくまゆみこ訳
『かわいいサルマ〜アフリカのあかずきんちゃん』
ニキ・ダリー作 さくまゆみこ訳
光村教育図書
2008.01

南アフリカで生まれ育った作者が描いたゆかいな絵本です。サルマは、おばあちゃんに頼まれて市場にお買い物に行った帰りに、犬にだまされて、買ったものを入れたかごも、サンダルも、ンタマ(腰に巻く布)も、スカーフやビーズも、みんな取り上げられてしまいます。サルマはおじいちゃんに助けを求めます。おじいちゃんは、クモのアナンシのかっこうをして、子どもたちに昔話を語っている最中でした。おじいちゃんとサルマは、仮面をかぶり、楽器をたたいて、犬に食べられそうになっていたおばあちゃんを、助け出します。アフリカの息吹が伝わってきます。
(装丁:城所潤さん 編集:相馬徹さん)