いたずらおばあさん

『いたずらおばあさん』
たかどのほうこ/著 千葉史子/絵
フレーベル館
1995

版元語録:洋服研究家のエラババ先生が開発したのは、なんと1枚着るごとに1歳若返るという不思議な服でした…。

ウグイス:たかどのさんは幼年ものがうまい作家で、子どもにもたいへん人気があり、よく読まれてます。タイトルや表紙がまずおもしろそうで、ユーモラス。内容も明るいユーモアが感じられ、安心して読めるわね。登場人物のネーミングがおもしろい。エラババ、ヒョコルさんなど名前を聞いただけで、子どもはおもしろがります。翻訳ものだと、ネーミングのおもしろさは伝わりにくけど、日本の創作だとこれが味わえてうれしい。おばあさんたちのいたずらは、ちょっと嫌なやつをへこませるという悪気のないものばかりで、後くされがなく、ハハッと笑って終われるところがいいですね。主人公は68歳と84歳のおばあさんなんだけど、そんな歳になっても子どもの部分があるというのを垣間見る感じで、おもしろかった。

ペロ:おもしろく読みました。痛快ですね〜。24ページで、ヒョコルさんがはじめて若返るとき、「50歳くらいになれば、もうじゅうぶんなのではありませんか?」ってエラババ先生に言ったら、エラババ先生の返事がふるってる! 「もういちど子どもになって、思いっきり遊べるっていうときに、さかあがりひとつやれない中年のおばさんになって、それでじゅうぶんだなんて、こころざしが低すぎて、ばちがあたりますよ!」だって。楽しい! いろんないたずらもおもしろかったのですが、1箇所、音楽祭のところはちょっと無理があると思いました。発表会のときは、ピアノを習い始めたばかりの子でも、暗譜して弾くものだと思うし、ましてゲゲノキ先生は音楽の先生ですから……。でも、このお話は、そういうことにこだわってちゃダメなのよね。

愁童:おもしろく読みました。エラババ先生みたいなユーモラスなネーミングの登場人物の設定なんか、読者の子供達に素直に受け入れられそうでうまいなって思いました。ただ、最後の行政批判みたいな箇所は、ちょっとウザイかなと……。

ネズ:私も、たかどのさんは幼年童話がとてもうまいと思う。この作品も、すらすら読めて、ゲラゲラ笑えて、子どもたちに人気がある理由がよくわかります。登場人物のネーミングもおもしろい。最後の章については、私も愁童さんとおなじで、ちょっと理屈っぽくなったかなと思ったけれど、こういう章をおしまいに持ってきたことで物語がうまくまとまったとも言えるのでは? おばあさんを書いたもので、私が大傑作だと思っているのが、以前に学研で出たミラ・ローベの『リンゴの木の上のおばあさん』。物語のなかのキャラクターとしてのおばあさんと、現実のおばあさんを書きわけていて胸を打たれますが、この作品にはそれほどの奥行きや深みはないわね。でも、そこまで望むのは望みすぎかしら?

mari777:発想が斬新で、おばあさんが二人とも生き生きしています。二人のおばあさんのキャラクターがきちんと書き分けてあるのもよかった。

みっけ:楽しく読みました。いたずらの仕方やいたずらを仕掛ける相手が、いかにも子どもたちの共感を呼びそうで、おもしろかったです。子どもって、いばっている大人が大嫌いだから。でも、最後の章だけは、ちょっとこなれてない感じというか、お説教くさいような気がして、もう少し違う形で終わったらよかったのになあ、と思いました。

アカシア:たかどのさんの本は、やっぱりこのくらいの長さのものがおもしろいわね。ユーモアたっぷりで笑えるし。いやな大人がいても子どもはなかなかやっつけることができないけど、この作品だと正体はおばあさんだから、懲らしめることができるんですよね。そこも痛快。最後の話も、読んでる子どもは痛快なんじゃないかな。リアリティを言い出すときりがないけど、この作品はそういう種類のものじゃないから、私は楽しく読みました。

うさこ:たかどのさんは幼年童話ものがうまい作家さん。日本語で日本人が読むものとして書いてますけど、ユーモアのセンスや発想が、どこか遠くて近い外国の人が書いているような感覚で、とても楽しく読めました。おばあさんたちの茶目っ気たっぷりのユーモアがとてもおもしろかった。人物名はじめ、その他に音や音の響きを有効につかって表現しているところがたくさんありました。会話文のおかしさを地の文でフォローして、さらにおもしろくさせたり細部まできちんと書きたい作家さんだと思います。うまへたな絵もこの物語に合ってますよね。続刊が出てないのはなぜでしょう?

げた:洋服を重ね着すると、重ね着した服の数だけ若返られるなんて、大人が読んでもおもしろいと思います。どちらかというと大人の発想なのかという気もしますね。「若返り変身願望」は大人のものですもんね。「夢見る少女の会」のおばさんたちの言動なんかも、子どもにはピンとこないんじゃないでしょうかね。挿し絵はちょっと古めかしいかな。エラちゃんは子どもに変身しても、しもぶくれ顔は変わってませんね。そこがおもしろいといえばおもしろいんですけど。

愁童:おばあさんたちが子どもに変身した場面に、『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)にあったような子どもの目線が生きていると、もっと説得力が出たんじゃないかなって思いました。

ネズ:おばあちゃんにもどったときは、もう少しおばあちゃんらしく、腰が痛いだの、目がしょぼしょぼするだの書いたらどうだったのかしら?

(「子どもの本で言いたい放題」2007年10月の記録)

いたずらおばあさん

『いたずらおばあさん』
たかどのほうこ/著 千葉史子/絵
フレーベル館
1995

ウグイス:たかどのさんは幼年ものがうまい作家で、子どもにもたいへん人気があり、よく読まれてます。タイトルや表紙がまずおもしろそうで、ユーモラス。内容も明るいユーモアが感じられ、安心して読めるわね。登場人物のネーミングがおもしろい。エラババ、ヒョコルさんなど名前を聞いただけで、子どもはおもしろがります。翻訳ものだと、ネーミングのおもしろさは伝わりにくけど、日本の創作だとこれが味わえてうれしい。おばあさんたちのいたずらは、ちょっと嫌なやつをへこませるという悪気のないものばかりで、後くされがなく、ハハッと笑って終われるところがいいですね。主人公は68歳と84歳のおばあさんなんだけど、そんな歳になっても子どもの部分があるというのを垣間見る感じで、おもしろかった。

ペロ:おもしろく読みました。痛快ですね〜。24ページで、ヒョコルさんがはじめて若返るとき、「50歳くらいになれば、もうじゅうぶんなのではありませんか?」ってエラババ先生に言ったら、エラババ先生の返事がふるってる! 「もういちど子どもになって、思いっきり遊べるっていうときに、さかあがりひとつやれない中年のおばさんになって、それでじゅうぶんだなんて、こころざしが低すぎて、ばちがあたりますよ!」だって。楽しい! いろんないたずらもおもしろかったのですが、1箇所、音楽祭のところはちょっと無理があると思いました。発表会のときは、ピアノを習い始めたばかりの子でも、暗譜して弾くものだと思うし、ましてゲゲノキ先生は音楽の先生ですから……。でも、このお話は、そういうことにこだわってちゃダメなのよね。

愁童:おもしろく読みました。エラババ先生みたいなユーモラスなネーミングの登場人物の設定なんか、読者の子供達に素直に受け入れられそうでうまいなって思いました。ただ、最後の行政批判みたいな箇所は、ちょっとウザイかなと……。

ネズ:私も、たかどのさんは幼年童話がとてもうまいと思う。この作品も、すらすら読めて、ゲラゲラ笑えて、子どもたちに人気がある理由がよくわかります。登場人物のネーミングもおもしろい。最後の章については、私も愁童さんとおなじで、ちょっと理屈っぽくなったかなと思ったけれど、こういう章をおしまいに持ってきたことで物語がうまくまとまったとも言えるのでは? おばあさんを書いたもので、私が大傑作だと思っているのが、以前に学研で出たミラ・ローベの『リンゴの木の上のおばあさん』。物語のなかのキャラクターとしてのおばあさんと、現実のおばあさんを書きわけていて胸を打たれますが、この作品にはそれほどの奥行きや深みはないわね。でも、そこまで望むのは望みすぎかしら?

mari777:発想が斬新で、おばあさんが二人とも生き生きしています。二人のおばあさんのキャラクターがきちんと書き分けてあるのもよかった。

みっけ:楽しく読みました。いたずらの仕方やいたずらを仕掛ける相手が、いかにも子どもたちの共感を呼びそうで、おもしろかったです。子どもって、いばっている大人が大嫌いだから。でも、最後の章だけは、ちょっとこなれてない感じというか、お説教くさいような気がして、もう少し違う形で終わったらよかったのになあ、と思いました。

アカシア:たかどのさんの本は、やっぱりこのくらいの長さのものがおもしろいわね。ユーモアたっぷりで笑えるし。いやな大人がいても子どもはなかなかやっつけることができないけど、この作品だと正体はおばあさんだから、懲らしめることができるんですよね。そこも痛快。最後の話も、読んでる子どもは痛快なんじゃないかな。リアリティを言い出すときりがないけど、この作品はそういう種類のものじゃないから、私は楽しく読みました。

うさこ:たかどのさんは幼年童話ものがうまい作家さん。日本語で日本人が読むものとして書いてますけど、ユーモアのセンスや発想が、どこか遠くて近い外国の人が書いているような感覚で、とても楽しく読めました。おばあさんたちの茶目っ気たっぷりのユーモアがとてもおもしろかった。人物名はじめ、その他に音や音の響きを有効につかって表現しているところがたくさんありました。会話文のおかしさを地の文でフォローして、さらにおもしろくさせたり細部まできちんと書きたい作家さんだと思います。うまへたな絵もこの物語に合ってますよね。続刊が出てないのはなぜでしょう?

げた:洋服を重ね着すると、重ね着した服の数だけ若返られるなんて、大人が読んでもおもしろいと思います。どちらかというと大人の発想なのかという気もしますね。「若返り変身願望」は大人のものですもんね。「夢見る少女の会」のおばさんたちの言動なんかも、子どもにはピンとこないんじゃないでしょうかね。挿し絵はちょっと古めかしいかな。エラちゃんは子どもに変身しても、しもぶくれ顔は変わってませんね。そこがおもしろいといえばおもしろいんですけど。

愁童:おばあさんたちが子どもに変身した場面に、『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)にあったような子どもの目線が生きていると、もっと説得力が出たんじゃないかなって思いました。

ネズ:おばあちゃんにもどったときは、もう少しおばあちゃんらしく、腰が痛いだの、目がしょぼしょぼするだの書いたらどうだったのかしら?

(「子どもの本で言いたい放題」2007年10月の記録)