原題:THE TIMEKEEPER by Emily Rodda, 1992
エミリー・ロッダ作 さくまゆみこ訳 杉田比呂美絵
あすなろ書房
2013.11
オーストラリア児童図書賞・最優秀賞を受賞した『テレビのむこうの謎の国』の続編です。前作では主人公パトリックが、〈謎の国〉(もう一つの世界)の テレビ番組に出演して、みごと「さがしものチャンピオン」になっていました。その賞品として〈謎の国〉とやりとりができるコンピューターをもらったまではよかったのですが、それから1週間すると、二つの世界を隔てるバリアに異常が起き、通信不能になってしまいます。SOSをキャッチしたパトリックは、再び〈謎の国〉へと旅立つのですが、今回は、ひょんなことからパトリックの姉クレアと、弟ダニーも、〈謎の国〉に迷いこんでしまいます。というわけで、パトリックは、バリアの異常の原因を解明するだけではなく、姉と弟を無事に連れ帰ることもやらなくてはいけなくなってしまいます。
相変わらずロッダさんのストーリーテリングにひきこまれ、切羽詰まった展開に、はらはら、どきどきさせられます。
(編集:山浦真一さん 装丁:タカハシデザイン室)
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<紹介記事>
・「産経新聞」2014年2月2日
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この世界とよく似たもう一つの世界、すなわちパラレルワールド〈謎の国〉のテレビ番組に出演して「さがしものチャンピオン」になったパトリックは、賞品として〈謎の国〉とやりとりができるコンピューターをもらってから1週間がたった。ある日、2つの世界を隔てるバリアに異常が発生して、通信ができなくなった。前作『テレビのむこうの謎の国』(あすなろ書房)の続編となる物語。
・「子どもと読書」2014年3・4月号で高橋峰子さんが紹介してくださいました。
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たった一人で世界を救わねばならないとしたら、どうする? 前作『テレビのむこうの謎の国』では、〈見つけ人〉として、パラレルワールドであるバリアの向こうの人たちのなくしものを探し出して、念願のコンピュータをゲットし、ハッピーエンドを迎えた主人公パトリック。だが、本作では、「バリアの向こうの世界」の崩壊を止める役割を与えられてしまう。しかもタイムリミットがどんどん迫ってくる。ハラハラする場面の連続だ。
パトリックは頭をフル回転させ、勇気を出し、あきらめることをしない少年へと成長する。そして何より、うっとおしいと思っていた姉弟と力を合わせ、〈見つけ人〉として、心を満たす「すばらしいもの」を見つける。