『いもうとガイドブック』
ポーラ・メトカーフ/文 スザンヌ・バートン/絵 福本友美子訳
少年少女新聞社
2015.05

『いもうとガイドブック』をおすすめします。

姉から見た妹を描いた絵本。兄弟や姉妹について描いた絵本はたくさんあるが、その多くは年上の子どもが年下の子どもに親をとられたように感じて複雑な気持ちを抱く様子を表現している。この絵本にもその要素はあるが、それだけではないのがおもしろいところ。

絵も軽妙でゆかいだが、それ以上にユーモアにあふれた文章が楽しく、クスッと笑わせてくれる。

このくらいの年齢の姉妹なら似たような経験をしたことがあるはずで、それぞれの体験と重ね合わせて読めば、実際の兄弟姉妹関係にも余裕が生まれるのではないだろうか。

あたたかいユーモアを短い言葉でうまく訳すのはとても難しいものだが、翻訳はそのユーモアを、細かいニュアンスまで含めてみごとに日本語に移しかえている。そのおかげで、日本の子どもにも十分に楽しめる絵本になった。

(産経新聞児童出版文化賞講評2016.05.05掲載)