カナダの絵本。クリス・ハドフィールドは、カナダ人の宇宙飛行士です。子どもの頃、アポロ11号の月面着陸をテレビで見て、宇宙飛行士を志したのでした。ギターを国際宇宙ステーションに持ち込んで、デヴィッド・ボウイの曲を歌ったり、船外作業中にとつぜん目が見えなくなったのに落ち着いて行動したことでも有名な人です。

彼は、小さいころ暗闇が怖くてたまらなかったのですが、やがて暗闇を,力強くて不思議で美しいものだと感じるようになります。「夜のやみは,夢をうみだし、朝の光は、その夢を実現するためにあるのです」とも語っています。

ザ・ファン・ブラザーズは、アメリカ生まれでカナダに暮らしているイラストレーターの兄弟です。日本で紹介されるのは、この作品が初めてだと思います。暗闇を怖がる子どもたちに手渡してもらいたいと思っています。
(編集:喜入今日子さん 装丁:城所潤さん)

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・「産経新聞」2017年3月19日