『オオカミ族の少年』 (クロニクル千古の闇1)

ミシェル・ペイヴァー著 さくまゆみこ訳
評論社
2005.06
原著:WOLF BROTHER by Michelle Paver, 2004

 イギリスのファンタジー。舞台は今から6000年も前の北の国。主人公の少年トラクは悪霊にとりつかれたクマに父親を殺され、孤児になってしまいます。しかも、そのクマを退治するために精霊の山に行くという使命を負わされます。旅の仲間は、オオカミの子ウルフと、ワタリガラス族の少女レン。ハラハラ、ドキドキの連続です。 あの「ハリー・ポッター」より契約金が高かったという噂の本! 6巻続くシリーズの1作目。
(絵:酒井駒子さん 編集:竹下純子さん、岡本稚歩美さん 装丁:桂川潤さん)

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<著者からのコメント>

 私は文字が読めるようになる以前から、先史時代に惹きつけられていました。10歳になる頃には、弓矢を手にし、一匹のオオカミを友に森で一人で生きていくことを夢見るようになりました。ロンドンに住んでいたので、両親が私に飼わせてくれたのは、オオカミではなく、スパニエル犬でしたが、私は先史時代の人々がしていたことを、できる限り真似してみました。
 ・・・・・・大人になって、子ども時代の夢は忘れなければと思いました。大学在学中に、少年と子オオカミの話を書いたことがありましたが、あまり良い出来ではなく、放ってありました。
 その15年後、南カリフォルニアの山間部を単独で徒歩旅行していたとき、突然、子グマをつれた大きな黒クマに遭遇しました。子グマを連れていることでとても気が立っており、私に出ていけと警告しました。幸いにも私は母グマをなだめることができました。(歌を歌うことで!)その間じゅう、私はおびえきっていましたが、あとになって興奮してきました。自分が時代をさかのぼったような不思議な感覚を体験したからです。
 それから何年かして、昔書いたオオカミと少年の話を書きなおすことを考え始めました。クマに出会ったときの感覚を思いおこしたとたん、先史時代への熱い思いがあふれるようによみがえってきたのです。こうして生まれたのが『オオカミ族の少年』です。