『フレディー〜世界でいちばんかしこいハムスター』
ディートロフ・ライヒェ/著 佐々木田鶴子/訳 しまだしほ/絵
旺文社
2001
原題:FREDDY: EIN WILDS HAMSTERLEBEN by Dietlof Reiche, 1998

版元語録:ハムスターの脳を研究している博士にフレディが狙われた。次第にせまりくる博士の魔の手。そしてとうとう…。かしこいハムスター・フレディ危機一髪!

ケロ:今回初めて読みました。すごくかわいらしくて楽しく読みました。発売されたのは、ハムスターがはやっていた時期なので、この本はよく読まれたのでは? ただかわいいだけではなく、動物のキャラクターの書き分けが上手ですね。モルモットのエンリコとカルーソとのかけあいも楽しめました。詩のかけあいは、原文のテンポがどんなかわからないので残念ですが。中学年の子どもたちが喜んで読めるのではないでしょうか。
『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』(リチャード・アダムズ著 評論社)を読んだとき、ウサギが、困難に遭うと眠っちゃったりするのがおもしろく、本当の動物を観察しているなと思ったのですが、ハムスターがトライアンドエラーするあたりのことが、それに似ていて、動揺したときにヒマワリの種を並べ替えるのもおもしろい。続きも読み進んでいて、今3冊目読んでます。

ジーナ:私はそれほどおもしろいと思えませんでした。ハムスターが好きな子どもにはおもしろいんだろうなと思うのですが。一方通行ではないコミュニケーションをとりたい、つまり、自分の思っていることを伝えたいというフレディの願望は、飼い主であるゾフィーとのことなのかと思って読み進めていったら、それが最後結局は、マスター・ジョンが理解してくれたらいいとなってしまうんですね。それが、肩すかしをくったみたいな感じで。あっけなく終わってしまった感じでした。

ウグイス:細かいところは忘れてしまったんですけど、とっつきやすい本の感じも、挿絵もいいし、子どもが喜びやすい本だと思います。子どもって、飼っているペットの動物がどんなことを考えているのかな、と思って接していると思うので、おもしろく読めると思う。

ネズ:子どもたちにとても人気のあるシリーズのようですね。言い回しがうまいし、訳もなめらかなので、おしまいまですらすら読んでしまいました。最初の章のひいおばあちゃんの性格が、特におもしろくて気に入りました。ただ、ゾフィーによりそって読んでいたら、フレディは文章を書くのに都合がいいからとマスター・ジョンのところに行くでしょ? いやぁ、かしこいなあと思ったけど、ちょっと肩すかしを食ったみたいな気分になりました。これで登場人物や背景がでそろって、2巻からのお話が始まるので、いいのかなとも思うけど。それから、モルモットの役割もおもしろいですね。『不思議の国のアリス』のトゥィドゥルディとトゥイドゥルダムみたいなころっとした体形で、歌をうたったり、お芝居をしたり。子どもが喜びそうな挿絵も、とても良かったです。

ミッケ:このハムスターがちょっと好きじゃなくて、入っていけなかった。なんかいばっている気がして、みんなを見下しているというか・・・・・女の子のことも結構さらりとさよならしちゃう感じだし、モルモットのこともなんか下に見ているし。そのあたりが気になりました。ようするに、おりこうさんすぎるんですね。ハムスターが主人公っていうのは、大人から見れば弱い立場の子どもたちにとっては、すっと主人公に寄り添えていいと思うんだけれど、主人公に今一つしっくりこなかったので、楽しめなかった。最後も、「いよいよぼくの時間だ…」っていう感じで、なんかなあ、と思いました。

サンシャイン:ハムスターを私は飼ったことがないんですけど、飼ったことがある人は、汚いのがいやだとか、食べ物を選ぶとか、ハムスターの性質がわかっておもしろく読めるかなと思いました。ハムスターがパソコンを打って人間とコミニケーションをするという話は楽しめます。作者はユダヤ人なんでしょうか? 「約束の地」とか出てきますが。

一同:さあ、という顔。

ネズ:この巻は「天国のような『約束の地』アッシリアをみつけたハムスターの話を」で終わっているけれど、2巻め、3巻めはそういうお話なの?

ケロ:2巻目、3巻目は、特にそれとは関係のない話ですね。自分でつくったお話をフレディがネットで流してしまって、それをハムスターを研究しているマッド博士がつきとめて、というような事件が起こります。(その後、5巻まで読んで、『約束の地』という感じではないですが、フレディはゴールデンハムスターのは発祥の地アッシリアにたどりつきます。フレディにとって天国のような自分らしく生きられる場所という意味で使われ、最初はマスター・ジョンのところ、そして最後はハムスターらしく生きられるアッシリアということになります)

うさこ:とてもおもしろかったなと思って、好きなお話でした。幼年向けの童話として、登場人物(動物)や設定がシンプルでついていきやすかった。「ペット人生を捨てたハムスターの物語」というのがすべてを物語っているようにペットではなく自分の生き方を切り開いていこうとしているハムスターの話。フレディの語り口調から、次々に場面が流れて読者も無理なく読めるのでは。日本語もコンパクトに短く、どこにも迷いなく読めた。次も読んでみたいなと。シンプルさがいい。対象は、1・2年生?

ネズ:1・2年生にしては、漢字も言い回しもむずかしいから、3・4年生?

うさこ:4年生には幼すぎるから、3年生くらいまででしょうか。幼年童話というと絵ばかりだけど、これはもう少し文字の多めの物語を読みたい2年生にもおすすめでは。

げた:学校で行うブックトークで取り上げたことがあります。ひょっとしたら、動物は人間の言葉がわかるんじゃないのかと思ったり、ペットと言葉でコミュニケーションがとれたらいいなと思ったりしてる子どもは、いるんじゃないかと思うんですよね。自分も子どもの頃そう思ってたんです。動物が言葉を理解するといえば『ルドルフとイッパイアッテナ』のルドルフも字が読めるようになるんですけど、わくわくする感じがしました。これもそうですね。ですから、子どもたちがお話に入っていきやすいと思います。このシリーズは人気があります。それぞれの巻がユニークなテーマで読み手をあきさせません。読みなれていない子でも、楽しく読める、3・4年生におすすめの本です。

(「子どもの本で言いたい放題」2007年8月の記録)