『宇宙の法則〜解けない暗号』 (ホーキング博士のスペース・アドベンチャー Ⅱ-1)

ルーシー&スティーヴン・ホーキング著 さくまゆみこ訳
岩崎書店
2015.11
原著:GEORGE AND THE UNBREAKABLE CODE by Lucy & Steven Hawking, 2014

 ホーキングさんのシリーズは、『宇宙への秘密の鍵』『宇宙に秘められた謎』『宇宙の誕生』の3冊で完結したと思っていた方も多いと思いますが(私もです)、また出ました。今度は、宇宙や天体のことというより、数学やコンピュータにまつわる話に焦点が当たっています。
 ある日、地球上のコンピュータがあっちでもこっちでも故障して、インフラは破壊され、交通はマヒし、物流はストップしてしまいます。アニーのお父さん(ホーキング博士がモデルですね)は、対策を打つために首相に呼び出されて出かけ、その間にジョージとアニーは不思議なコンピュータのコスモスを使って宇宙に飛び出していきます。コスモスがいつもと違うのも気がかりですが、やがて二人は、世界を支配する欲望にとりつかれた奇妙な男が量子コンピュータを使って事件を引き起こしていたことを知ります。
 ホーキングさんのシリーズは、空想と理論やファクツがうまく結びつき、科学を身近なものに感じられるところがいいな、と思っているのですが、なにせ私は数学が大の苦手なのです。量子コンピュータのことなんて、さっぱりわからないし、普通のコンピュータの原理だって理解しているとは言い難いのです。なので、今回は、佐藤勝彦先生(自然科学研究所長)だけでなく、平木敬先生(東京大学情報理工学系研究科教授)にも、わからないところを教えていただきました。自分なりには、一応ひととおりわかったうえで、訳したつもりです。翻訳をやっていておもしろいと思えることの一つは、未知の分野のことが少しはわかるようになる、というところです。
(監修:佐藤勝彦先生+平木敬先生 編集:板谷ひさ子さん 装画:牧野千穂さん 装丁:坂川栄治さん+坂川朱音さん)