『猫魔ヶ岳の妖怪』をおすすめします。

この絵本には、福島県各地に伝わる伝説「猫魔ヶ岳の妖怪」「天にのぼった若者」「大杉とむすめ」「おいなりさまの田んぼ」の4話が入っている。原発事故前の福島は、自然豊かなとても美しい土地だった。ここに収められた伝説からもそうした地域の背景がうかがわれ、人間と動物や自然の結びつき、人間には計り知れない自然の力などが感じられる。再話は、ブルガリアと日本の民話の研究者・翻訳者。絵も、伝説の雰囲気をよく伝えている。

(「おすすめ! 日本の子どもの本2018」<絵本>掲載)

キーワード:昔話、福島