アメリカの絵本。家の前には、みんながゴミをポイポイ捨てる場所がある。なんとかしたい。でも、みんなは「やってもむだだ」とか「かわりはしないさ」とか「そのうちなんとかなる」とか言う。でも、子どもたちは少しずつそこを花や野菜が育つ畑に変えていく。絵に描かれたストーリーはそう語っていますが、それだけではない広がりがあります。

アマンダ・ゴーマンは若き詩人。シングルマザーに育てられ、子どもの頃は発話障害に悩まされたがハーバード大学で社会学を専攻し、22歳の時にはバイデン大統領の就任式で自作の詩「わたしたちの登る丘」を朗唱し、世の中を声と言葉の力で変えていこうとしています。

クリスチャン・ロビンソンは、私が大好きな『おばあちゃんとバスにのって』でコールデコット賞銀賞にかがやいた画家です。

(編集:山浦真一さん 装丁:タカハシデザイン室)

 

<紹介記事>

・2023年11月19日 朝日新聞「折々のことば」(鷲田清一さん)

「あいてが大きすぎる」と、みんなはいう。でも、とっても小さいものが大きいものをうごかすことだって、あるんだよ。──アマンダ・ゴーマン

どうしようもないことだとか、やってもむだだとか、そのうちなんとかなるとか、醒めたようにつぶやく人が多いと、米国の詩人はいう。でも、悲しいし怖いし腹も立つけど「どうしていいかわからない」ことに囲まれたら、すぐにあきらめずに、みなで力を合わせ少しでも押し返そうと。絵本『いつか きっと』(さくまゆみこ訳)から

 

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