アメリカの絵本。女の子が夜の風にさそわれて、ふとんや枕をかかえて屋上に出ていきます。頭上にはひろびろとした空が広がり、女の子はお月様を見上げながら眠りの世界に入っていきます。女の子をそっと見守るお母さんがすてき。
原書は主人公の女の子がsheという三人称でしか出てこなかったのですが、いくら日本語では主語が省略できるといっても、まったく出さないわけにはいきません。子どもの本では「彼女」は使えないので、「この子」?「女の子」?といろいろ考えたのですが、sheと比べると音数も多いし、どうしても硬い感じになってしまいます。そこで作者といろいろ相談して、最終的には許可をいただき一人称で訳しました。
(装丁:羽島一希さん 編集:小山侑希子さん)

ボストングローブ・ホーンブック賞受賞