ハリネズミ:まず翻訳者の力ってすごいな、と思いました。千葉さんの訳は、『1/12の冒険』と比べると、訳文のリズムからいっても、言葉の使い方からいっても、段違いにじょうずなんじゃないかしら。それに最初から「ありえない話なんだな」ってわかって読めるから物語世界に破綻がないですね。グレムリンのグルーズルっていうのがとても変ですが、登場するどのキャラクターもくっきりとしていて翻訳でもそれが明快なので、はっきりイメージできます。この幻獣学者のおばさんも、とんでもないけど素敵な人だし、おもしろく読みました。それに、訳文にユーモアがありますよね。でも、なぜか図書館にはあまり入ってないですね。タイトルがおぼえにくいのが、ハンデになってるのかも。今日の3冊の中では、とにかくこれがダントツにおもしろかったです。

レジーナ:おもしろく読みました。ミス・ランプトンはひどい人なのに、それに気づかず一緒に暮らしたいと願う主人公は、おっとりしているというか、人がいいというか……。ところでこの幻獣観察の目的は、なんなのでしょうか。

ルパン:とってもおもしろかったです。「しこたま」っていう訳語もツボにはまりました。翻訳がいいですね。こちらは4巻まで読破してしまいました。最後まで「読ませる」作品でしたよ。

プルメリア:場面展開が早く、ぱっと変わっちゃうのが気になりました。

ハリネズミ:そこは、ファンタジーだからいいんじゃないですか。特に気になりませんでしたよ。

(「子どもの本で言いたい放題」2013年6月の記録)