『バッタロボットのぼうけん』をおすすめします。

主人公は犬の子どもたちで、バッタ型のロボットに乗って冒険に出かけるという設定。このロボットが、子どもの持つ知識の範囲内でなるほどと思えるように工夫されているのが楽しい。

ボルネオ、オーストラリア、ニュージーランドの陸地と海と川にすむ虫や動物たちが、生き生きと描かれ、吹き出しの中に簡単な説明も付されている。

ファンタジーの要素も取り入れた知識絵本だが、その土地に生息する動物をリアルに、主人公の犬たちをイラスト風に描くことによって、子どもが混乱しないよう配慮がされている。さらに最後の場面がストーリーに奥行きをもたせ、そこからもう一つの想像がふくらむよう工夫されている。

(産経新聞「産経児童出版文化賞・美術賞」選評 2019年5月5日掲載)

キーワード:ロボット、自然、絵本、動物