日付 2001年10月25日
参加者 モモンガ、オイラ、オカリナ、ウォンバット、紙魚
テーマ ファンタジーと人間の想像力

読んだ本:

そのほかのファンタジー





そのほかのファンタジー

オカリナ:トールキン、C.S. ルイス、メアリー・ノートン、トラバース、ピアス、『グリーン・ノウ』や『ゲド戦記』などには、それぞれ特徴があったじゃない。最近のファンタジーにはそれだけの特徴がないし、内的な葛藤が描かれてないし、主人公が変わっていく心理的な過程が書かれていないのよね。だから読者は、主人公に感情移入のしようがないと思うんだけどな。外側だけどんどん変わっていって、読者は最後まで観客でしかない。最近のこういうファンタジーというかファンタジー的エンタテインメント作品、私はあんまり面白いと思えないんだけど、面白いと思う人が大勢いるから売れてるのよね。でも、面白いって言ってる人に聞くと、こういうの読んだの初めてっていう人が多いのね。そういう人が、広告・宣伝に乗せられて買ってるのかしら?

モモンガ:つくられたブームはかならず冷めるわよ。

オカリナ:プロットの積み重ねで惹きつける作品だったら、外国の「ファンタジーもどき」作品より小野不由美の『十二国記』のほうがよっぽどおもしろいけどな。

オイラ:やっぱりさ、自己変革があるからおもしろいんだよね。成長する主人公といっしょに喜べる作品がいいよな。

紙魚:こうなってしまったのは、子どもの本がお金になるってことに気づいてしまったからだと思う。これまでは、子どもの本で大儲けしようって考えはそれほどなかったんじゃないかな。しかも実現しづらかったし。

オカリナ:ファンタジー・バブル時代。

モモンガ:そうよ。物でも本でも、いいものをじっくり選んで、一生使うっていうのじゃないのよ。

ウォンバット:映画もそうですよね。宣伝で「いい」って言われると、みんな観にいくでしょ。私なんか『千と千尋の神隠し』ぜったい見ない!

オカリナ:本が文化じゃなくて、消耗品になっちゃったね。