『嵐をしずめたネコの歌』をおすすめします。

イギリスのコーンウォール地方に伝わる伝説を基にした物語。大嵐が来て海が荒れ、漁師たちが船を出せずに村に食べるものがなくなったとき、年老いた漁師のトム・バーコックは飼い猫のモーザーと一緒に、命がけで海に出て行く。村人たちのために、なんとしても魚をとろうと決意したのだ。細かくていねいに描かれた絵がとてもいい。もともとは横書きの文章量の多い絵本だが、そのままの形では日本の子どもに読みにくいので、文字を縦書きにして絵童話風に仕立てている。(小学校中学年から)

(朝日新聞「子どもの本棚」2019年5月25日掲載)

キーワード:海、ネコ、嵐、伝説、絵物語