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『クリスマスの小屋』表紙

クリスマスの小屋〜アイルランドの妖精のおはなし

『クリスマスの小屋』(読み物)をおすすめします。

捨て子だったオーナは長じて働き者になったが、自分の家はなく家族はいない。飢饉に襲われたあるクリスマスイブのこと、年老いたオーナは、食べものは子どもたちに譲ろうと自分は死を覚悟し、丘に登る。すると小さな妖精たちがやってきて、小屋を建ててくれる。それからは、ホワイトクリスマスになるたび、その小屋が孤独な者、悲しみを抱えた者を受け入れてくれるようになったという。すぐれたストーリーテラーが、幼い頃に乳母から聞いた昔話を再話している。挿し絵も幻想的な雰囲気を伝えている。

原作:アメリカ/9歳から/クリスマス、妖精、昔話

(JBBY「おすすめ!世界の子どもの本 2021」より)

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おじいちゃんとのクリスマス

祖母が死んでひとりになった祖父と、クリスマスをすごすためにプラハに来たトマス。ごちそうにするコイがかわいくなり「食べるのはイヤ」と思ったトマスを、祖父の温かい心がつつみます。(Bookデータベース)

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サンタのおまじない

けんちゃんに届いたプレゼントは,大嫌いな野菜のつめあわせ。でも,おまじないを唱えると,切り絵のマジックで野菜が変身! (日本児童図書出版協会)

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賢者のおくりもの

クリスマスのプレゼントを買いたくて,おたがいに自分のいちばん大切なものを手放してしまう若く貧しい夫婦の心を打つ愛の絵物語。 (日本児童図書出版協会)

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ウィルソン文 市川里美絵『メリークリスマス』さくまゆみこ訳 冨山房

メリークリスマス 〜 世界の子どものクリスマス

子どもたちが心待ちにしているクリスマスって一体何なのでしょう? 他の国では,どんなお祝いをしているのでしょう? (日本児童図書出版協会)

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くるみわり人形とねずみの王さま

有名なくるみわり人形の物語の全訳。クリスマスに贈られたくるみわり人形が,ねずみの軍勢と戦い,マリーをお菓子の国へと誘う。 (日本児童図書出版協会)

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ティムとサンタクロース

ティムとヘレンにポリーとサイモンが生まれました。雪の日ケーキの飾りになるサンタクロースを助けた親子は、楽しいクリスマスをすごします。 (日本図書館協会)

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『パディントンのクリスマス』表紙

パディントンのクリスマス

『パディントンのクリスマス』をおすすめします。

主人公は、人間のブラウン一家と暮らすクマのパディントン。好奇心旺盛で、いろいろ思いつくあまり、悪気はないのに行く先々で周りを困らせたり、心配させたり、大騒動を引き起こしたりする。そんな小さなクマがついついいとおしくなる、ゆかいな物語集。7編のうち2編がクリスマスにまつわるエピソード。(小学校中学年から)

(朝日新聞「子どもの本棚」2020年11月28日掲載)

キーワード:動物(クマ)、クリスマス

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『クリスマスのあかり』表紙

クリスマスのあかり〜チェコのイブのできごと

『クリスマスのあかり〜チェコのイブのできごと』をおすすめします。

1年生のフランタは、ひとりでランプを持って教会に行き、あかりをもらって帰る途中、近所の貧しいおじいさんに会う。おじいさんが亡き妻のお墓に捧げようとした花束が盗まれたと知ったフランタは、なんとかしようと考えをめぐらせる。子どもの細やかな心の動きを伝える文章に、チェコ在住の画家のあたたかい絵がついている。(小学校低学年から)

(朝日新聞「子どもの本棚」2018年11月24日掲載)


クリスマスイブに、1 年生の男の子フランタは手提げランプを持って、ひとりで教会に明かりをもらいに行く。そして帰る途中、近所の貧しいおじいさんが妻の墓に供えようと買った花束が盗まれたことを知り、なんとかしようと考える。トラブルもあるが、やさしい人びとにも出会い、フランタは、しょんぼりしていたおじいさんに花束をわたすことができた。幼い子どもの細やかな心の動きを伝える文章に、チェコ在住の画家のあたたかい絵がついた絵物語。

原作:チェコ/6歳から/クリスマス あかり プレゼント

(JBBY「おすすめ!世界の子どもの本 2019」より)

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市川里美画 ウィルソン文『メリークリスマス〜世界の子どものクリスマス』さくまゆみこ訳 BL出版

メリークリスマス〜世界の子どものクリスマス(改訂版)

世界の子どもたちが、それぞれにクリスマスを楽しんでいる様子を紹介した絵本です。以前、冨山房から出ていたもの(1983)に、加筆・訂正して復刊されました。市川さんの絵も少し追加されています。

冨山房版が出たとき、私は冨山房の編集者でした。この絵本はもともと矢川澄子さんに翻訳を依頼しようと予定していたのです。当時は、印刷は4色のフィルムを取り寄せ、日本の印刷所で版を作り直して行っていました。クリスマスの絵本は、少なくとも11月初旬にはできていないと店頭に並ばないのですが、この絵本のフィルムはなかなか来ませんでした。夏を過ぎたころようやく届いたので矢川さんにご連絡すると、「今はほかにも仕事がいろいろあって、すぐには取りかかれない」とおっしゃるのです。社内の会議でそれを伝えると、「せっかくフィルムが来てるんだ。それなら、さくまが訳せ」と副社長のツルの一声。

私は他の本の編集もしながら、この絵本を訳し、この絵本の編集も自分でするという羽目に陥りました。

それで、ようやくなんとか間に合って、その年のクリスマスに並ぶことになったのですが、できあがった絵本を開いてみて「ひやあああ」。ものすごい誤植があったのです。それは、「はじめに」というクリスマスの由来を説明するページでした。「今からおよそ200年前ほど前に、ベツレヘムというところでイエスさまがお生まれになった」と印刷されているではありませんか!! もちろん私の責任です。結局そのページを切って別に印刷したページを貼り付けるという作業をしなくてはなりませんでした。

それ以来、私は、翻訳と編集の一人二役は絶対にやらない、と心に決めています。やっぱりその本を愛してできるだけいい形で出そうと思う人が、最低二人はいないといい本はできないのだと思います。

この絵本には、イギリス、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、ポーランド、チェコ、スロバキア、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ロシア、フランス、イタリア、ギリシア、メキシコ、インド、日本、オーストラリアの、クリスマスの様子が描かれています。クリスマスのお菓子や飾りの作り方も出てくるし、私たちがよく知っている賛美歌も5つ、楽譜とともにのっています。

(編集:江口和子さん デザイン:細川佳さん)

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◆「日本児童文学」2023年11・12月号に「クリスマスをよむ」という特集があり、編集長の奥山恵さんの依頼で、こんな文章を書きました。

「クリスマスあれこれ」

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ユリ・シュルヴィッツ『ゆうぐれ』さくまゆみこ訳

ゆうぐれ

アメリカの絵本。『ゆき』に出て来た男の子と犬がここでも登場します。この絵本では、男の子が黒ひげのおじいさんと犬を連れて散歩に出かけます。あたりはだんだん暗くなり、さびしくなってきます。でも、人々はあっちへ行ったりこっちへ行ったり忙しそう。そのうち、ぽつんと明かりがともります。そして明かりはだんだんに増えていき、通りも、お店のウィンドウも、広場も、まばゆいイルミネーションで飾られます。

クリスマスの街を描いた絵本です。あちこちにクリスマスツリーが登場し、本屋さんもおもちゃ屋さんも、マザーグース劇場も明るく楽しそうに見えます。空が暗いので、よけいに街のイルミネーションがきれいに映えるのですね。
(編集:山浦真一さん 装丁:城所潤さん+岡本三恵さん)

◆◆◆

<紹介記事>
・11月26日の毎日新聞です。「本はともだち」コーナーの「クリスマスには絵本の贈り物を」という記事で、書いてくださったのは木村葉子さんです。

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名作絵本「よあけ」で知られる作者の最新作。クリスマスの夕暮れどき、おじいさんと散歩に出かけた男の子は、川面に沈む夕日を見る。薄暗くなった街に戻ると、人々は忙しそうに行き交っていた。自然の光が消えると、街の明かりが次々とともる。静かな中にも華やいだクリスマスが感じられる一冊。

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ウィルソン文 市川里美絵『メリークリスマス』さくまゆみこ訳 冨山房

メリークリスマス〜世界の子どものクリスマス

イギリスの絵本。市川里美さんの絵がとっても楽しいクリスマス絵本です。最初にクリスマスとはどういうものか、という由来のお話があり、続いて、イギリス、アメリカ、ドイツ、オランダ、ポーランド、チェコ、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ソ連、フランス、イタリア、ギリシア、メキシコ、インド、日本、オーストラリアでは、どんなふうにクリスマスのお祝いが行われているかを紹介しています。「きよしこのよる」「ひいらぎかざろう」などのクリスマスキャロルや、クリスマス飾りやショウガクッキーなどの作り方も載っています。
この絵本は、よんどころない事情があって、ひとりで編集と翻訳をおこないました。これ以降、やっぱりひとり二役はしないほうがいいと考え、どちらかに徹することにしています。
(編集:作間由美子)


ロイス・レンスキー『ふゆがすき』さくまゆみこ訳

ふゆがすき

そりすべり、雪だるまに雪合戦、アイススケート、クリスマスとサンタクロース、バレンタイン……と、寒いけど冬は楽しい季節。「ふゆが すき。ゆきが すき。つめたい かぜも なんのその。ひらひら ゆきが まいおりて あたり いちめん ぎんせかい」歌の楽譜もついています。
(装丁:桂川潤さん 編集:山浦真一さん、草野浩子さん)


e.e.カミングズ文 クリス・ラシュカ絵『クリスマスのちいさな木』さくまゆみこ訳

クリスマスのちいさな木

クリスマスの絵本。e.e.カミングズのクリスマスの詩をもとにしています。森の中の小さな木が、都会に出てクリスマス・ツリーになる夢を見ていると、ある日、その夢がかなって、小さな家の小さな家族にクリスマス・ツリーとして迎えられます。ラシュカの独特な絵が、あたたかい雰囲気をかもしだしています。
(装丁:桂川潤さん 編集:鈴木真紀さん)


イフェオマ・オニェフル『たのしいおまつり:ナイジェリアのクリスマス』さくまゆみこ訳

たのしいおまつり〜ナイジェリアのクリスマス

写真絵本。西アフリカのナイジェリアに住むアファムは、クリスマスを楽しみにしています。でも、ナイジェリアのクリスマスは、日本のクリスマスとはちょっと違います。「モー」という精霊があらわれて、おどりながらあたりを練り歩くし、珍しいごちそうが出てきます。表紙は精一杯クリスマスのおしゃれをした子どもたち。
作者はナイジェリアで生まれ育った女性フォトグラファーです。ナイジェリア人の知人パトリックが、この絵本に出て来るジョロフライスを作ってくれたことがありますが、とてもおいsかったですよ。
(編集:和田知子さん)


イライジャの天使 ハヌカとクリスマスの物語

ユダヤ教徒の少年ととキリスト教徒のおじいさんの友情の物語。この絵本が取り上げているのは、実在のアフリカ系アメリカ人イライジャ・ピアース。文章を書いたローゼン(イギリス人のマイケル・ローゼンとは別人です)も、絵を描いたロビンソンも、小さいときにイライジャが大好きでした。床屋さんをしていたイライジャの木彫りはナイーブアートの一種だと思いますが、素朴で心のこもった本当にすてきなもので、一部は▶︎http://foundationstart.org/artists/elijah-pierce/▷ここ│や▶︎http://www.kenygalleries.com/images/af-pierce/pierce-bio.html▷ここ│で見ることができます。(編集:松井智さん、松木近司さん)