パム・ムニョス・ライアン/作 ピーター・シス/絵 原田勝/訳
岩波書店
2019.02
『夢見る人』をおすすめします。
南米のチリに暮らす少年ネフタリは、体は弱くても、空想することや詩を書くのが好き。自然の不思議に目を見張る慣性も持っている。でも、息子の体を鍛え、医者や実務家にしたい父親は、それが気に入らない。継母は、本を読んでくれたり、時には守ったりしてはくれても、夫に刃向かうことはしない。最初はなんとかして父親の愛情を得たいと思っていたネフタリだが、やがて自分が詩や文を書きためたノートを父親が燃やすのを目撃すると、心の自由を求めて故郷を離れ、自分の道を歩み始める。ノーベル賞を受けた詩人パブロ・ネルーダの少年時代を描いた物語。緑色で印刷された文章から情景が生き生きと立ち上がってくる。シスの挿絵もすばらしい。(中学生から)
(朝日新聞「子どもの本棚」2019年3月30日掲載)
南米のチリに暮らす少年ネフタリは、夢見ることや詩を書くのが大好きで、自然の不思議に目を見張る感性も持っている。でもひ弱な息子の体を鍛え医者や実務家にしたい父親には、軟弱な役立たずとしか思えない。幼いネフタリはなんとかして父親の愛情を得ようとするが、先住民の人権を守ろうとするおじさんの影響もあり、やがて心の自由を求めて自分の道を歩み始める。ノーベル賞を受けた詩人パブロ・ネルーダの少年時代を描いた伝記的な物語。緑色で印刷された文章は情景を生き生きと伝え、挿し絵もすばらしい。
原作:アメリカ/12歳から/詩 夢 父親 チリ
(JBBY「おすすめ!世界の子どもの本 2020」より)