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アロナ・フランケル『ぞうのまあくん』さくまゆみこ訳

ぞうのまあくん

イスラエルの絵本。下の子が生まれたときの上の子の葛藤をテーマにした絵本です。ゾウの一家が登場します。赤ちゃんは自分では何もできないので、お父さんもお母さんも赤ちゃんの世話で大忙し。まだ小さいお兄ちゃんのまあくんは、ちっともおもしろくないので、赤ちゃん返りをしたり、文句を言ったりします。最後はお父さんとお母さんが、まあくんの気持ちもわかってくれるので、ホッと安心できます。


レベッカ・ボンド『あかちゃんのゆりかご』さくまゆみこ訳

あかちゃんのゆりかご

赤ちゃんが生まれてくるのを知って大喜びの家族。お父さんは、海で静かに揺れる船や、巣の中で静かに揺れる小鳥たちのことを考えながら、ゆりかごをつくります。おじいちゃんは、同じ地球に暮らすほかの動物たちのことを考えながら、ゆりかごに魚や動物の絵を描きます。おばあちゃんは、家族や親戚のことを一人一人思い出しながら、端切れを縫ってベッドカバーを作ります。お兄ちゃんは、早くいっしょに遊びたいなと思いながら、ベッドにつけるモビールをつくります。そして、お母さんはそのゆりかごを、窓辺に持って行って「そとを みながら、やわらかな つきのひかりや すがすがしい あさひのことを かんがえました。よぞらのほしや ひんやりした よるのくうきのことも かんがえました」。
やがて生まれてきた赤ちゃんが大泣きしても、だいじょうぶ。家族のそれぞれが思いをこめながら完成させたゆりかごに寝かせると、赤ちゃんは安心して、すやすや眠るのです。どの見開きにも、黒い犬が登場しています。犬も見守っているのですね。
(装丁:渋川育由さん 編集:和田知子さん)

・全国学校図書館協議会・選定図書
・社会保障審議会推薦文化財
・日本子どもの本研究会選定図書
・日本図書館協会選定図書

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<紹介記事>

・「おさなご」(長野県市立幼稚園協会編)2012.03

文字がわからない子どもたちにも温かい絵柄と色彩で楽しめる1冊。赤ちゃんが生まれてくるとわかった時の家族の喜びは誰も同じ気持ち。お父さんはゆりかご作りに取り掛かり、おじいちゃんはそのゆりかごにペンキを塗ります。おばあちゃんはベッドカバーを作り、お兄ちゃんはおもちゃを作りました。赤ちゃんに注がれるやさしい家族の眼差しに、心が温かくなります。

・「紀伊民報」2017年4月7日

もうすぐ赤ちゃんが生まれます。家族は手を取りあって、大喜び。
お父さんは、すべすべにかんなをかけた板でゆりかごを組み立てました。おじいちゃんは、そのゆりかごにペンキを塗って、青い海や空を飛ぶ大きな鳥を描きました。おばあちゃんは、小さな布を縫い合わせてベッドカバーを作りました。お兄ちゃんは、赤ちゃんが楽しめるように、モビールをゆりかごに付けました。
家族の一人一人が、赤ちゃんが生まれてきてからの新しい世界をうっとりと思い浮かべながら、リレーのようにゆりかごを作り上げていきます。その様子を、そっと見守るお母さん。赤ちゃんがお母さんのおなかで育っていく間に、足りないところはひとつもないすてきなゆりかごが、出来上がりました!
絵本全体に、新しい命を迎える喜びがあふれています。この絵本を読みながら、お子さんがおなかにいたときのことや、赤ちゃんのときのことを一緒にお話ししてみるのもいいですね。自分が生まれてきたときのことを家族から聞くことで、自分がどれだけ大事にされているのかを、実感できるのではないでしょうか。この4月から、新しい環境に飛び込んだ子どもたちも多いと思います。自分が大事にされているという実感は、きっと、子どもたちの背中を後押ししてくれるでしょう。(県立紀南図書館)

・「月刊リトル・ママ」〜妊婦さんにおすすめの本〜 2018年10月15日号

お父さんが作ったゆりかごにおじいちゃんが色を塗り、おばあちゃんがベッドカバーを縫い、お兄ちゃんがモビールを作って・・・と、赤ちゃんが待ちきれない一家のお話。赤ちゃんが少し大きくなってから、「こんなふうに待っていたんだよ」と読んであげてもいいですよ。

・「RADIANT」(立命館大学研究部)2018年3月号〜年代を超えて、心に働きかける絵本〜

お母さんは妊娠中。お父さんがゆりかごを作ると、おじいちゃんとおばあちゃん、そしてお兄ちゃんは赤ちゃんのためにゆりかごを飾り、赤ちゃんがやってくるのを待っている。家族の温かさと赤ちゃんを待つ喜びを感じさせる絵本。