月: 2011年11月

2011年11月 テーマ:科学好きの少年・少女

日付 2011年11月24日
参加者 御茶、トム、ルパン、サンザシ、プルメリア、げた、モフモフ、すあま、メリーさん
テーマ 科学好きの少年・少女

読んだ本:

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ジャクリーン・ケリー『ダーウィンと出会った夏』

ダーウィンと出会った夏

トム:近くの図書館の蔵書11冊がすべて貸出中でした。ダーウィンの『種の起源』がこういう時代の中に登場したのかと知りました。各章のはじめにある文章は言い回しがむずかしい。虫の名前などは、可能ならば日本名があるとよいのでは。キャルパーニアが自分の好奇心をどんどんふくらませてゆく姿と、求められる生き方への疑問と2つのテーマが拮抗していきますが、主人公の自然との出会いとその生き生きした様子にズンズン惹きつけられました。いつのまにかキャルパーニアを応援していたのかも。お祖父さんの存在は巨きくて深い! 主人公が「この世界のどこに私の居場所があるのだろう」と考えた時に「なにかを好きだと思うことより理解することの方が大切」というお祖父さんの言葉を思い出す場面がありましたが、よくかみしめてみたい言葉です。

ルパン:すみません、まだ途中までしか読めていないんですが……最初はちょっとおもしろくないような気がしたのですが、どんどんおもしろくなってきています。またまたですが、この作品でも、お母さんがいいなと思いました。こういう女の子になってほしい、という願望を押しつけてくるところがあるけれど、このお母さんの気持ちもわかるなぁと感じました。

プルメリア:今年の夏休みに読みました。題名と表紙が目につき、手に取りました。読みやすかったです。おじいさんと少女の交流の中で、身近な自然科学に関する話がたくさんあるのですが、コウモリが登場している部分は楽しく読みました。戦争の悲惨さ、人種差別などアメリカの時代背景、当時の人々の生活スタイルも分かりやすく書かれていました。今現在、アメリカは女性の地位が確立されていますが、主人公が子どものころはまだそういう姿はなく、これからの時代は女性も前に出て地位を作っていこうとするたくましい生き方が表れているところがとても素敵で、ぜひこの生き方を読者に知ってもらいたいなと思いました。作者はお医者さんだけれど、虫や植物が好きで、自然に目がいく人。いろいろな物をよく観察していて、私たちも見たことのある身近な自然界の生き物が登場してくる作品なので、長編でも読ませるものになっていると思いました。

サンザシ:翻訳がうまいなと思いました。女の子は思い切って好きなことができない時代で、親たちは刺繍や料理を習得しろと行ったり、社交界にデビューさせようとするわけですが、コーリー(キャルパーニア)がなんとかがんばって自分の道を歩こうとする様子がよく書けていました。私の友人に、息子と一緒にチャボを卵から育てた人がいるんですね。その人の話がとってもおもしろいんです。子どもの好奇心をお母さんである友人がとてもうまくのばしていく。それでとうとう卵から孵化して家族同様にそのチャボと暮らし、死まで看取るんです。その話を聞いていると、私にはとてもできないな、と思うわけです。時間も知識も忍耐力も必要になりますもんね。その友人のようなお母さんや、この本に出て来るおじいさんのような人がいて初めて、子どもの科学への好奇心は育つのかもしれないなあと思います。この作品に出て来るおじいさんは、時間的にも自由で、精神的にも縛られていない。しょっちゅう自然の中に出かけていき、ついてきた孫娘に、目に触れる生き物についていろいろな話をしてくれる。そういう家族がそばにいて、コーリーは幸せでしたね。おじいさんだけでなく、兄弟たちそれぞれのエピソードにもユーモアがあり、楽しく読めます。コーリーが祖父の話を聞いて、どんどん科学的な見方を獲得していく過程もリアルに書かれています。自然科学の分野はとっつきにくいと思っている子どもでも、こういう物語から入れば大いに興味をもつようになり、理科離れも食い止められるのかもしれませんね。

げた:この本の扱っている年代は今から100年前で、この時代の女性は良妻賢母になることが求められているのだけど、それから解放されて、自立した女性になることが一つの重要なテーマになっているんですね。アメリカで国内の戦争といえば、南北戦争で、この本の時代の30数年前に起こったのだけど、主人公の女の子を科学に導いたおじいちゃんも南北戦争に従軍してたんですよね。意外だったのは、アメリカで女性参政権が得られたのは1920年でそんなに前じゃないということですね。日本語のタイトルは原題よりもおしゃれですね。キャルパーニアは7人きょうだいなんだけど、おじいちゃんが科学の道に導こうとしたのは、たまたまキャルパーニアだったわけで、キャルパーニアでなくてもよかったのかもしれないですね。科学の道に進むのは男も女も関係ないんだよということかな。いやいやながら、共進会の作品展に出品した手芸品が3位になっちゃった話がおもしろかったな。科学好きの女の子をテーマにした本ということで選びました。

モフモフ:この作品で、おじいさんが主人公の協力者になっていますが、子どもの好奇心や才能の芽生えには、それに寄り添って伴走してくれる人が大切なのだと思います。必ずしも親や家族でなくていいのですが。

すあま:お母さんと子どもの関係でいうと、自分が舞踏会に行けなかったからそれを娘に託してしまっている。ユーモアもたくさんあって、刺繍のコンテストのエピソードもおもしろかった。世紀が変わるということで、考え方が変わっている時代をとりあげているんですね。とても読後感が良いです。

メリーさん:自然とそこで暮らす人々の細部までが描かれていて、とても楽しく読みました。私自身はまったくの文系で、自然科学には詳しくないのですが、主人公の考え方に共感できるのは、主人公が物ごとを本当によく観察しているからではないかと思いました。季節、自然、友人のことも、科学の目は物ごとをきちんと観察することから始まります。それが、ディテールをきちんと描くことにつながっているのではないかと。主人公の台詞「自然界では美しくするのはオスの方なのに、人間はなぜ女性の方が着飾らないといけないのか」なんていうセリフはとてもおもしろい。物語の最後の場面で、彼女は外の世界を見て家の外へ飛び出していきますが、またすぐに家をみつめて帰ってくる。この物語の心地よさは、この、家を大切にして地に足をつけている感覚なのかなと思いました。

(「子どもの本で言いたい放題」2011年11月の記録)


ホーマー・ヒッカム・ジュニア『ロケットボーイズ』

ロケット・ボーイズ(上・下)

モフモフ:作品の密度が濃くて読み飛ばせなかったので、読み終わるまでに時間がかかりました。知らなかったのですが、ロケット開発の最初の時期はアメリカよりもロシアのほうが先行していたのですね。作品中で描かれているように、アメリカの学校ではカリキュラムを変更したりして、ロシアに後れをとったことがそんなにショックだったのかと感慨深かったです。上巻と下巻では主人公の立ち位置がおちこぼれから、みんなに認められる町のヒーローに変わっていって、立身出世の物語のような感じもあり、ぎくしゃくしていた父親と主人公の関係も、どうなるんだろうと思いながら読み進めました。お父さんは、たたき上げの炭鉱の監督で、炭鉱で起きるすべてのことに責任を感じるような人。肺の病気もあるし、落盤事故の怪我もあるし、満身創痍ですよね。当時の炭鉱町の様子、そこで生きる人間は、こんなふうに考えていたのかと新鮮でもありました。

げた:たまたま、なんですけどね、今回のとりあげた本の年代は大体50年きざみになっています。この本の時代は今から50年前です。アメリカとソ連が鎬を削りあっている頃で、アメリカがソ連には負けないぞという頼もしさが伝わってきました。ここのところ、この会でとりあげられている本が、厳しい状況におかれた子どもたちを扱ったものが続いたので、楽しく生き生きとした子どもを扱ったこちらの本を選書係として選ばせてもらいました。最初はプラスチックの模型飛行機に癇癪玉を詰めただけのロケットから、最後の微分積分などで計算して作られたロケットにまで到達したというのがすごいな。しかもこれは実話なんですよね。考えてみると、2、3年の間にこんなことができたのがすごいですね。この年代の普通の男の子らしく、女の子に対する興味もおもしろく描かれていましたね。ドロシーに寄せる恋心も興味深かったな。とにかくおもしろかったです。上下巻2冊で分量はそこそこあるけど高校生くらいなら読めるし読んでほしいな。

サンザシ:すごくおもしろかった。映画も本も知らなかったんですが。下巻は2か月で7刷りまでいっているので、売れているのかなと思います。どこまで自伝なのかわかりませんがノンフィクションだから書けるところや重みもあるんでしょうね。この人は技術者だからお鍋やストーブをだめにしちゃうのもリアルに書かれているし、そういうのを許すお母さんはすごい人だなと思いました。仲が悪そうなのに良いところもあるし、お金も貯めていてすごい、なかなかこうはいかないだろうなと思いました。大人らしい大人がいっぱい出てくる作品だと思いました、今は大人らしい大人は少ない。ロケットのノーズコーンはこうだ、お酒はこうだ、とアドバイスをくれたり、大人が反対してくれたり、子どもにとっても良い時代だったと思ったりもしました。アメリカだけじゃなくてアフリカにも、学校に行けなくなったけど自分でゴミ捨て場から拾ってきた材料で風車をつくった少年がいて、『風をつかまえた少年』(ウィリアム・カムクワンバ&ブライアン・ミーラー著 田口俊樹訳 文藝春秋)という本を書いています。子どもはそういう力を持ってるんでしょうけど、常識的な親が芽を摘んじゃうこともあるでしょうし、環境も良かったんだろうなと思います。最後のお父さんの残したのも良かった。

プルメリア:上・下の2巻構成 活字もたくさんですが、作品に入り込み、一気に読みました。実話だったからこそ内容がわかりやすくとてもおもしろかったです。主人公の父親の責任感ある行動力がすばらしく、偉大さがあり、立派だなと思いました。周りの人々が少年たちの実験をなんとなく見守ってくれるのもこの時代だからこそだなと感じました。今の子ども達はやりたいことがあってもなかなか実行できず終わってしまうケースが多いですが、この少年たちからは周りの人々に支えられながら頑張っていく意欲や熱意が伝わってきます。一つ一つの積み重ねの実験が大きな成功に結びついていくんだなと思いました。スペースシャトルに関する土井さん(素敵なマスク!)の話はわかりやすく、全体のストーリー構成のつながりも良く、スケールの大きな話でした。

ルパン:めちゃくちゃおもしろかったです。この会に参加させていただくようになってから、読んだことない本をたくさん読む機会ができてうれしいです。この作品を読んで、ボブ・グリーンの『十七歳』(文藝春秋)を思い出しました。実話ゆえのドキドキ感がちょっと似ています。主人公はこんな素敵な男の子なのに、好きな女の子を最後まで振り向かせられないところも。この作品もお母さんがいいと思いました。昔のBFが現れ、かつての恋敵が立派になって帰ってきたのを見たお父さんが「選び方をまちがえたな」と言ったとき、「ちゃんと正しい方を選んだわ」というシーンは素敵でした。ちょうど、最近になって理系のおもしろさに目覚めたところでもありました。理系の人はたぶん、文系の人よりもロマンティストですよね。『ロケットボーイズ』のような息子がいたら、きっと息子が恋人になっちゃうと思います。

トム:ソ連とアメリカの国の競争が炭鉱の町に住む少年にまで響いていることにびっくり! 同じころ日本も石炭がエネルギー源で、炭鉱の落盤事故ニュースにくぎづけになったことを思い出しました。あ〜アメリカもそうだったんだなぁと思いました。お父さんの危険と背中合わせの強い生き方、不安を見せないお母さんの逞しさも強い! ロケットボーイズのまわりで、彼らを押さえようとする人がいるなかで、やがて皆応援していくのはアメリカなんだろうなと思いました。おもしろかったです。物語を読んでいくと、エネルギーの変化やアメリカのロケット開発にドイツ人のブラウン博士がかかわっていること、それから炭鉱でひっそり働くバイコフスキーさんはユダヤ人らしいことなど時代の波を感じました。本は何度でも手にとれるので、いつか読み返した時、またいろいろ考える手がかりが埋まっている良い本だと思いました。この少年がもし物理の先生にだったら私は赤点取らなかったかも。

御茶:すみません上巻しか借りられていないのですが、17ページのペンテコステ派、メソジスト派、バプティスト派など、宗教がころころ変わっていくのはすごいことだなと思いました。戦争の時に石炭を必要とするのはどこも一緒なのだなと思いました。日本も女性を炭坑にかりだして女炭夫さんという方々もいたなと思い出しました。上巻まではロケットを飛ばすための助け合いや、友情は少なく、『少年少女飛行倶楽部』の方が描かれているなぁと思いました。男の子の視点で書かれているのですっきりしているなと思いました。

メリーさん:上下とボリュームのある物語ですが、とてもおもしろかったです。炭鉱の街の描写を背景に、主人公たちのロケットにかける青春を描く重層的な物語。文章は映像的で、特に下巻、主人公がチームを引っ張っていくようになってからぐいぐい引き込まれました。個人的に興味を持って読んだのが、父親との関係。父子というのは、ある意味で永遠の課題です。息子は父親のことが目の前に立ちはだかっている壁のように見えるのだけれど、父親も息子との距離をはかりかねている。父は、次男である主人公にかなりつらくあたるのだけれど、自分が命をかけている炭鉱を見せたり、主人公が行き詰っているときにはぽんと材料をくれたりと、気にかけている様子がところどころにはさまれる。一面的ではなく、善悪両面があるという描写にリアリティを感じました。息子は、最終的に父親を乗り越えるわけではなく違った道を見つけ出して選ぶ、そして父親を理解していくというのがとてもいいなと思いました。

すあま:映画を先に見ていて、あらめて読みました。スプートニクショックというのがアメリカにとってどうだったかというのを授業でも習っていたのですが、本当に大きな衝撃だったのだなと分かりました。科学コンテストの話は『ニンジャx ピラニア x ガリレオ』(グレッグ・ライティック・スミス著 小田島則子&恒志訳 ポプラ社)を思い出しました。科学をやらねばということで学校でも教育が見直されて国をあげてやっていったことが分かります。どんどん不景気になっていく炭鉱の町では、ロケットが未来に向けた希望だったのでは。馬鹿にしていたのに意外と上手くいって希望の光になっていったんだなと感じました。いろんな人がで登場しますが、親子、夫婦、兄弟、友達の関係もていねいに書かれていました。この作品は子ども時代の話ですが図書館では伝記の棚に入っていました。だけど、フィクションや小説、文学作品と言って良いのではないかな。『ロケットボーイズ2』というのも出ていますよ。

モフモフ:NASAの技術者の自伝的な作品ですが、ゴーストライターがいるのかと思うほど、細かな描写や構成がうまいです。下巻では自分のことを人気者でヒーローという感じで書いていますが、日本なら謙遜が入りそうなところだと思いました。

げた:この作品を教えてくれた人がいるんですけど、『ロケットボーイズ2』はあんまりおもしろくないって話だったので、まだ読んでません。

(「子どもの本で言いたい放題」2011年11月の記録)


加納朋子『少年少女飛行倶楽部』

少年少女飛行倶楽部

御茶:おもしろいですし、愛情や友情もしっかり描かれていていいと思いました。すごくさわやかです。絵もいいです。主人公の心のツッコミがツボにハマりました。「るなるな」が最後にピンチになっていた所は、最後を盛り上げるために作為的な感じがして、もう少しひねりがほしかったなと思いました。

トム:一番はじめ表紙を見て「劇画風物語かな?」という印象。色々なキャラクターを演じるように、若者たちが次々登場しますけれど、お互いに気を使いあう関係が痛々しい気がして……。他の2冊で描かれる友だち関係とはずいぶん違う。時代も国も違うけれど……やはり今の日本の若い人の物語なのかな。飛行というテーマで進んでゆきますが、最後はちょっと無理があるかも。

ルパン:「道具や乗り物を使わない」というのがクラブの規約なんですが、最後は熱気球を使って飛びますよね。気球は道具じゃないのかなあ、と思っちゃいました。風船おじさんの話が出てくるのですが、その行動の愚かさ、切なさは語られてなくて残念。でも、作家はもしかしたら風船おじさんをヒントにこのお話を書いたかもしれないと思いました。登場人物のなかでは、イライザが一番よくかけていたし、いいですね。お母さんも良かったです。『ロケットボーイズ』がおもしろすぎたせいか、ちょっとうーんと思いましたが……。あと、どうして題名だけ漢字を使っているのかなと思いました。文中はぜんぶ片仮名で『飛行クラブ』だったので。

プルメリア:本を手にしてもあまり進まなかったです。現実的に書かれている内容なのですが、非現実的な感じで、ちょっと読みにくい本だった。飛ぶという設定はわかりますが……。登場人物それぞれの性格がわかりやすく書かれているように見えますが、気球が飛ぶところは、なんだか現実から離れた感じがしました。

サンザシ:文庫本で読みました。お互いの関係を探り合う中学生の関係とか、いろんな立場の子どもの思いなどが出て来て、悪くないと思いました。熱気球はなかなか魅力的なアイテムなので、もっと詳しく書いてくれると地に足のついた作品になったと思います。日本の作家は人間同士のやりとりとか微妙な心模様を書くのはうまいし、身のまわりの隅々にまで目が行くと思うけど、それから先にまでは広がらない。他の2作品とは視点が違うなと思いました。

げた:科学好きの子どもっていう題材の本が、日本の本ではなかなかみつけられなかったんですよ。ちょっと、テーマからはずれちゃったって感じですね。科学的な探究の末に空を飛ぶ、なんてことにはなっていないですもんね。でも、空を飛ぶという目的の部活を通して、中学生がお互いの人間性をみつめて、仲間のもうひとつ別の人間性をみつけ、成長していく様子はおもしろく読めました。最初に登場人物のおもしろい名前の紹介をつかみにして、読み進みやすい感じだと思いますよ。最後の部分は荒唐無稽で、あり得ない話になっているけれど、映画にしたらよさそうですよね。青春小説として楽しく読めました。

モフモフ:おもしろく読みました。ちょっと本を読んでみようかという若い読者にはちょうどよいのではないでしょうか。最初の飛行倶楽部の宣言(理想の飛行は、ピーターパン!?)を見てどうなるんだろうと思ったけれど、現実にできそうな熱気球に落ち着いて、なるほどと思いました。連載をまとめた本ですが、最初から熱気球と決めていたのか気になります。

メリーさん:加納朋子さんの作品は大好きでけっこう読んでいます。日常の謎を解く、コージーミステリーがとてもおもしろい。そんな中で、今回はちょっとこれまでと路線が違うなと思いました。子どもたちの青春群像という感じ。主人公は「ちびまる子ちゃん」のような性格で、世の中をちょっと斜めから見ている感じがするけれど、やはり心は素直。部長が、自分は姉の面倒をみるために生まれてきたということに対して、泣きながらそれは違うと言うシーンは、とてもよかったです。結末はリアルではないけれど、部活ならではの一体感があって、やった!という達成感を感じました。全体的にさらっと読めておもしろかったです。

(「子どもの本で言いたい放題」2011年11月の記録)