ミシェル・ペイヴァー/著 さくまゆみこ/訳 ジェフ・テイラー/挿絵 酒井駒子/装画
評論社
2024.08
イギリスのファンタジー。「クロニクル千古の闇」シリーズの8巻目です。トラクやレンやウルフが暮らす森に、巨大なカミナリ星(隕石)が落ちて、森のほとんどが消失してしまいます。森に暮らす民の多くが命を落としたり、大きなケガをしたりしています。生き残った人々は集まってフィン=ケディンをリーダーと定め、なんとか困難を乗り越えようとしています。
そんなとき、人の皮をはぐ恐ろしい者が出没しているという噂が流れます。トラクとレンは森をよみがえらせるための儀式を「歩き屋」から教わり、その儀式を行うための旅に出ます。「皮はがし」という魔物はいったい何なのか? 7巻で登場した「氷の悪霊」がさらに恐ろしい存在になっていますし、ダークとウルフの活躍も見ものです。
舞台は今から6000年くらい前の石器時代。ペイヴァーさんは時代考証を綿密になさるので、すべてを自分の手で作る人々の暮らしが、とてもリアルに描かれています。
(編集:岡本稚歩美さん 装丁:水野哲也さん)